全国地域生活定着支援センター協議会は、矯正施設を退所した高齢・障がい者の社会復帰と再犯防止を支援し、全国のセーフティーネットの構築に邁進します。

地域で支える再犯防止:東海

新聞記事

地域で支える再犯防止:東海

毎日新聞2018年6月10日 中部朝刊「もう迷惑かけられぬ」 地域で支える再犯防止 人生の大半刑務所、71歳男性の決意を以下転載します。

罪を繰り返す元受刑者らが後を絶たない。2017年版「犯罪白書」によると、検挙者に占める再犯者の割合(再犯者率)は年々増加し、16年は5割近くを占める。同12月に「再犯防止推進法」が施行され、国や自治体、民間団体などの連携強化が求められる中、岐阜県内では保護司らが5年前に出所した高齢男性を地域で支える。各地でも元受刑者らの再犯防止に向けた取り組みが進みつつある。【加藤沙波】

 岐阜県内のトンカツ店で今年5月下旬、上原一雄さん(71)=仮名=を主役に、地域の保護司ら5人が食事会を開いた。13年5月に岐阜刑務所(岐阜市)を満期出所後、社会復帰して5年を迎えた「お祝い」だ。

 上原さんは、身寄りのない高齢出所者らを支援する「岐阜県地域生活定着支援センター」を通じ、同県内で生活を始めた。センターから相談を受けた保護司の中村知子さん(69)=仮名=らは社会福祉協議会や自治体とも連携し、地域ぐるみでアパート探しや買い物などの手助けをしてきた。上原さんは保護司の活動拠点「サポートセンター」に頻繁に足を運び、日々の出来事や刑務所の思い出話で盛り上がるという。

 九州地方の港町で生まれ育った上原さん。中学生で漁師の父親が亡くなると暮らしは困窮し、裕福な同級生やいとこが妬ましかった。金を盗むなど罪を重ね、初めて刑務所に入ったのは20歳ごろ。出所後も職を転々としたり不況で働く場を失ったり。「腹が減ったら万引きするしかない」「刑務所の方が楽」--。何度も罪を繰り返し、人生の大半を刑務所で暮らしてきた。

 「安定した仕事や少しの支えがあれば普通に生活できていたはず」と保護司の男性(70)は話す。畑仕事やボランティアに熱心に取り組み、地域の行事にも参加する上原さんは、周囲からは「きちょうめんで真面目な人」と映る。それでも一度だけ、「墓参りがしたい」と故郷に行ったきり10日ほど連絡が途絶えたことがあり、上原さんの携帯電話の着信履歴は心配した中村さんらからの番号でいっぱいに。「こんなによくしてもらって、もう迷惑はかけられん」と決意したという。

 長年、出所者らの立ち直りを支えてきた中村さんだが、出所者が再び犯罪に手を染めてしまうなど、うまくいかなかった事例も少なくないという。中村さんは「仲間の一人として接している。彼にとってはこの環境が合っていたのかな」と話す。

東海でも計画策定へ
 2017年版「犯罪白書」によると、刑務所からの出所者の38・3%が5年以内に再入所している。16年の高齢受刑者のうち再入者は7割を超える。再犯防止推進法を受けて政府は昨年12月に「再犯防止推進計画」を閣議決定し、「就労・住居の確保」「保健医療・福祉サービス利用の促進」など七つの重点課題を掲げる。同法では地方自治体の計画策定を努力義務とする。岐阜県は計画策定に向け今年度約80万円の予算を計上。愛知県は8日、司法や福祉、就労支援などの関係機関・団体が集まり初の連絡協議会を開催した。三重県も一部自治体で再犯防止策の検討を始めた。

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