全国地域生活定着支援センター協議会は、矯正施設を退所した高齢・障がい者の社会復帰と再犯防止を支援し、全国のセーフティーネットの構築に邁進します。

厚労省「無料低額宿泊所」の質改善へ

新聞記事

厚労省「無料低額宿泊所」の質改善へ

貧困高齢者向け住宅 救済届かぬ「安住の地」 家賃ネック、補助に制約 2018年3月2日 東京朝刊という記事です。以下転載。

札幌市の自立支援住宅「そしあるハイム」火災を受け、厚生労働省は「無料低額宿泊所」の質改善を図る方針だ。ただ、現状では低所得者の家賃負担能力を考えると、安全性の高い住まいの確保は容易ではない。【西田真季子】

なぜ「法定外」施設を利用するのか(イメージ)

 東京都内の無料低額宿泊所「ふるさと日の出館」は、加藤勝信厚労相も1月に視察した優良施設だ。古い木造の建物を改造し、NPO法人「自立支援センターふるさとの会」(東京都台東区)が運営する。常駐スタッフが火の始末の確認や夜間のたばこの預かりをする。

 入居者の自主性も引き出すため、年4回の防災訓練では、入居者同士で誰が逃げ遅れそうか、誰が手助けできそうか話し合う。

 「住まい」と「生活」をセットで支援する重要性は国も認識し、厚労省はこうした生活支援を民間に委託する方針だ。同省はケースワーカーが防火態勢をチェックするリストも作る方針だが、「ケースワーカーでは、建物全体の防火設備まで監視できない」(札幌市)との声もあり、実効性には懸念もある。

 一方、民間団体の独自の取り組みもある。昨年5月、日払いで入居できる木造アパートで入居者6人が死亡する火災が起きた北九州市。犠牲者の一人を支援していたNPO法人「抱樸(ほうぼく)」(北九州市)は、昨秋から民間マンションを33室借り上げて提供する新しい取り組みを始めた。家賃は2万9000円。

 耐火構造で1室21~23平方メートル。火災報知機もある。管理人も住み、最低3日に1回は見守りをする。民間会社による債務保証が付き、家賃滞納はすぐに抱樸に連絡が入るなどトラブルに素早く対応できる。マンション所有者にとっても、家賃滞納や孤独死などのリスクを避けつつ、空き室を埋められるメリットがある。

 課題は、昨年10月に国土交通省が始めた「住宅セーフティーネット制度」が使えないことだ。同制度は、低所得者(1世帯月収15万8000円以下)や高齢者の入居を断らない住宅を都道府県が認定し登録する仕組み。自治体によっては低所得者向けの家賃補助(月最大4万円)もある。

 だが、登録には1室原則25平方メートル以上必要で、抱樸のマンションは届かない。抱樸の山田耕司常務は「北九州市でも低家賃で25平方メートルを借りるのは難しい」と話す。低所得者向けの登録戸数は全国でも299戸(2月末現在)にとどまる。結果として所得の低い人たちは劣悪な住宅に流れている。

 本来、公営住宅が低所得者対象の安定した住まいになるはずだが、戦後、家族向けを主流に整備されてきた。住まいは原則私的な問題と捉えてきた日本の住宅政策の「落とし穴」が、低所得の単身高齢者の増加の中で顕在化してきている。

 制度からこぼれ落ちる人に安全な住居を安く提供するにはどうすればよいのか。

 抱樸の奥田知志(ともし)理事長は「そしあるハイムに法的位置づけはなかったが、現にニーズがあった。『必要な人は誰でも受け入れる施設』への補助が必要だ」と訴える。

火災、早期発見・避難を
 「他に行き場がなかった」。そしあるハイムで危うく難を逃れた高齢の入居者は、そうつぶやく。借金などでアパートの家賃が払えず、たどり着いた住まい。生活保護も受けたが、腰が悪くても特別養護老人ホームに入るほど介護度は高くない。有料老人ホームに入る資金は当然ない。そしあるハイムの約5万円(光熱費含む)の家賃と3食月2万円が負担の限界だった。

 そしあるハイムは身寄りのない高齢者や元ホームレスら生活困窮者を分け隔てなく受け入れていた。出所した受刑者の社会復帰を支援する北海道地域生活定着支援札幌センターの関係者は「困った時に最後はなんとかしてくれるというのが本音だった」と明かす。

 高齢者らが身を寄せ合う住まいの火災はこれまでも繰り返されてきた。東京理科大大学院の関沢愛教授(建築・都市防災学)は「老朽木造住宅では5分でも建物全体に火が回り、危険だ」と指摘する。

 ただ、現に多くの人が暮らしており、対策は必要だ。関沢教授は「高齢者に消火を期待するのは無理。住宅用火災警報機の設置などによる早期発見と、早期避難が大事だ」と話している。【田所柳子、安達恒太郎】

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