全国地域生活定着支援センター協議会は、矯正施設を退所した高齢・障がい者の社会復帰と再犯防止を支援し、全国のセーフティーネットの構築に邁進します。

自活困難な高齢受刑者

新聞記事

自活困難な高齢受刑者

「万引は今回で最後にできるか」 自活困難な高齢受刑者という10/14(土)福井新聞記事です。以下、転載。

再犯防止に向けた国と地方自治体の責務を明らかにした再犯防止推進法(議員立法)が昨年12月に施行された。初犯受刑者を収容する福井刑務所と県内の関係機関は、出所後に自活を見込めない高齢受刑者らを福祉の支援につなげる取り組みに力を入れている。国が抱える高齢化問題は治安の分野にも及んでおり、関係者は「地域の理解が不可欠」と訴えている。

7万円の使い道を考える問題用紙

画像は、福井刑務所が試行している再犯防止に向けた指導で、生活保護費の使い道を考える高齢受刑者=10月6日、福井市

 弁護人「万引は今回で最後にできるか」
 被告人「命に代えても誓います」
 裁判官「前回の裁判でも同じようなことを言っていた」
 被告人「返す言葉もございません」

 サンドイッチなどを万引したとして、常習累犯窃盗の罪に問われた無職男(69)の福井地裁武生支部初公判。男は万引で2度服役しており、検察官は「再犯の恐れが高く、長期間の矯正教育が必要」と懲役3年を求刑した。

 県警などによると、2016年の全国の刑法犯検挙人員は22万6376人で戦後最少を更新。再犯者数も11万306人で4千人余り減ったが、検挙人員に占める割合は48・7%と過去最高を記録した。

 16年版犯罪白書によると、15年の刑務所入所者のうち再入者の割合は59・4%に上り、65歳以上の高齢受刑者の再入者率は69・6%に達する。白書は、高齢者は出所後の生活の立て直しが難しいとして、再犯防止対策を重点的に行う必要性を指摘する。

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 「あなたは出所してアパートで1人暮らし。生活保護を7万円受給しています。何に使いますか」

 懲役10年未満の初犯男性が服役する福井刑務所の一室。作業着姿の高齢受刑者らに社会福祉士が問いかけた。5月から独自に試行している「配慮を必要とする高齢者等指導」の一コマだ。食費や光熱費など必要最低限の出費だけで7万円掛かるという設定。半数が酒やたばこにも使うと回答して赤字になった。

 指導を受けるのは、高齢者の中でも歩行器を使っていたり、おむつを1人で替えられなかったりと、就労して自立した生活を送るのが特に難しい受刑者たち。出所後の生活の厳しさを伝え、どう暮らしていくのか真剣に考えさせる狙いだ。

 希望すれば、生活保護の受給や福祉施設への入所といった手続きを服役中に進めていく。福井刑務所は、県内市町の福祉担当者や福祉施設職員を対象に見学会を計画しており、谷口晃康所長は「受刑者はいずれ地域に戻っていく。円滑に福祉の支援につなげるには地域の理解が欠かせない」と話す。

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 公判中の先の男は、県外の刑務所を満期出所後、福祉の支援を受けていた。福井県地域生活定着支援センター(福井市)が仲介してアパートを確保。生活保護費は浪費しないよう社協が管理し、月2回に分けて渡していた。それでも出所して1年4カ月で、再び罪を犯した。

 松岡伸郎センター長は「残念な結果だが、住居と収入がなければもっと早く再犯しただろう」と話す。男に連絡が取れる親類はおらず、内縁関係にある女性は施設に入っていた。「再犯は複合的な問題が絡まっている。原因を探り、長い目で見守っていく必要がある」と地道に取り組む重要性を指摘している。

 ▽再犯防止推進法 定職や住居の確保が困難な刑務所出所者らの再犯を防ぐため、国と地方自治体に社会復帰へ向けた対策を求める法律。政府には施策を総合的に策定・実施する責務があるとして、「再犯防止推進計画」を閣議決定するよう規定し、都道府県や市町村は国の計画を踏まえた地方計画を策定する努力義務を負うとした。政府は年内の計画策定を目指している。

福井新聞社

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