依存症の原因は脳でなく心?!
依存症の原因は脳でなく心?!
一年の最後の日にふさわしい(?)イギリスからの話題。Johann Hari というジャーナリストが長い年月をかけて書いた本から。引用元の新聞記事は長いので、ポイントだけ下に要約します。
・・・米国の薬物依存撲滅運動は、今までずっと、化学物質が脳を破壊するというプロパガンダのもと、行われてきた。下の写真は、その運動の中でよく使われてきた。
しかし、私は自分の家族や、自分の愛するパートナーが薬物依存で苦しむのをずっと身近にしてきて、何かが違うと感じた。そこで、薬物依存の原因を突き止める旅に出た。その中で、衝撃的な事実を突き止めた。
Bruce K. Alexander という心理学者・大学教授が1970年代からずっと研究室で実験を続けてきた結果、依存症回復への道は、コミュニティにあるという方向性が示された。その実験とは:
従来のラットを使った実験では、下のようなケージに、一匹だけラットを入れて、コカイン水溶液と、普通の水を入れた場合、ラットがコカイン水を好んで飲み、結果として依存症になり、最後に死ぬ、というものだった。
ところが、このBruce K. Alexander教授は、これに疑問を感じ、ラット・パークという、下のような、ラットにとって快適なコミュニティを作って、同様な実験をした。そこは、ラットのコミュニティになっていて、みんな自由に動き回り、家族を作ることもできる。
このラット・パークに、コカイン水溶液と、普通の水を入れると、このコミュニティに住むラットは、ある例外を除き、普通の水しか好んで飲まなかった。
また、この教授が、前述の従来の実験のケージで、一人ぼっちでコカイン依存になったラットを、このラット・パークに移したら、しばらくして、このコカイン依存症のラットは、普通の水を好んで飲み、コカイン水溶液には手を出さなくなった。
このラット・パークが、依存症治療へのカギだということを、教授が科学的に説明しているページはこちら。