全国地域生活定着支援センター協議会は、矯正施設を退所した高齢・障がい者の社会復帰と再犯防止を支援し、全国のセーフティーネットの構築に邁進します。

埼玉定着主催の事例報告会

埼玉定着主催の事例報告会

昨日、埼玉県地域生活定着支援センター主催 事例報告会「更生は福祉から」に行ってきました。研修は、埼玉定着コーディネーター桧垣泰斗氏による実績報告に始まり、続く講師の発表や福祉の現場の事例、最後はパネルディスカッション。

100名近い参加者(遠方では新潟刑務所からも社会福祉士が参加)が、浦和にある埼玉県県民健康センターの大会議室で、朝から夕方まで、一年に約3回は埼玉定着が主催しているという、この研修を受けていました。

埼玉定着は、このようにサテライト型で運営されています。

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埼玉定着サテライト

木内英雄氏

全定協で関東・信越ブロック長もされているセンター長の木内英雄氏は、何十年も地元埼玉で障害のある人たちが利用する施設の長をされており、ネットワークも幅広いでしょうが、あの睦まやかな感じが、磁石のようなのかも、近づくチャンスさえあれば。コーディネーターの方々は、非常に歯切れのよいスピード感にあふれる皆さんです。

とにかく、挨拶に来られた福祉や行政からの方々や、参加された講師や聴衆のメンバーからも、埼玉定着の付き合いの広さを垣間見た感じです。

ご登壇された方々は:

埼玉県社会福祉課から 笹木健一氏、
国立のぞみの園から 水藤昌彦氏と 小林隆裕氏、
埼玉県発達障害福祉協会から 長岡均氏、
埼玉保護観察所から 幸島聡氏(今年度の全定協スキルアップ研修にも講師でご登壇)
和光市保健福祉部 社会福祉課から 大江彩乃氏、
社会福祉法人 美里会(グループホーム・ケアホーム)から 飯島義博氏、
社会福祉法人 名栗園(軽費老人ホーム)から 嶌田裕之氏


事例発表は、まずは、埼玉定着のコーディネーター桧垣氏と原恭子氏から、高齢者や障害を持つ支援の対象者が、まだ矯正施設や少年院にいる間からコーディネートを始めて、社会へ戻るときに必要な準備(手帳取得・帰住先の確保など)を整えていくプロセスを説明します。出所・退院後、福祉施設にバトンタッチされ、そこで毎日、直接支援にあたっている現場の職員から、八つの事例が発表されました。

事例は、少年、障害がある成人、高齢者を含みました。受け入れる側の福祉施設からの発表は、非常に興味深く、対象者一人ひとりの生い立ちを理解するのはもちろんのこと、今、その人が、何を欲しているのか、どう感じているのか、どうしたいのか、を感じ取りながら、毎日接しているんだと感じました。

受け入れるまでの法人内でのジレンマや、回を重ねた法人内や埼玉定着との会議、受入れてからの施設のスタッフや他の利用者との人間関係、本人と施設との「約束事」の再確認や再調整、家族がいる少年は家族とも関係性の構築、今までの人生で体験する機会がなかった様々な社会的活動を通じて成長・変化していく本人の姿、受入れて始めてわかる本人たちの感性・行動や、それに対する理解や対応、施設を出た後の生活設計など・・・八つの事例は、当然ですが、どれ一つとってもユニークです。

事例:高齢者
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高齢1高齢3高齢2

埼玉定着を通じて、既に3名の高齢の出所者を受入れた名栗園シルバーハウス希望の園の嶌田氏は、非常に客観的にケースを説明します。また、障害者施設のように、国からの加算があれば、もっと受け入れるところが増えるだろうということにも触れました。受け入れた3人とも生活保護を受給していますが、利益には目をつぶり、軽費老人ホームの一部利用料を施設が減免にしてこれを当てても、本人の手元に残る小遣いは毎月1920円。このことで、他の「豊かな」利用者との境遇の違いを本人たちが感じ、しかし説明を受けても納得がいかず、感情で短絡的な行動にでることもあったと。

事例:障がい者
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成人1成人2成人3

知的障害のある成人を受け入れた美里会の飯島氏は、例えば、時間を守るというルールを決めたが守らない時は、他の利用者とミーティングで一緒に考えてもらう、もう直らない部分もあるかもしれないが、あきらめるところはあきらめて、素直さや、人の好さ、気配りなどいいところに目をつけて生活面や就労面で本人の利益になるよう活用していると。飯島氏は率直に「初めはいやだった、今もいやだ・・というか、不安になる。でも、彼には励まされる。皆さんもチャレンジしてください」と誘いました。

事例:少年
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少年1少年2

非行で少年院からの少女を支援している和光市保健福祉部の大江氏は、ホストと関わり付けられたこのような非行名からは戸惑いを感じたが、実際に会って話してかかわっていくうちに、思いは変わり、彼女が社会でトラブルに巻き込まれないように生きていくため、身だしなみから始まり、色々アドバイスもしているとのこと。


パネルディスカッションで発表者の皆さんが共通して言われていたのは、罪名から判断せず、まず会ってみる、そしてその人の支援にかかわる皆との間で情報を共有するということです。

また、刑務所・少年院にいたという履歴についての取り扱いについては、本人自身が言いふらしてしまう場合もあるようですが、支援する側としてはケースバイケースで熟慮して行っています。

各福祉施設からの発表のパワーポイントでは、受け入れてからの詳細が書かれています。ここには載せきれないので、関心のある方は、埼玉定着か、各施設まで直接お願いします。

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