全国地域生活定着支援センター協議会は、矯正施設を退所した高齢・障がい者の社会復帰と再犯防止を支援し、全国のセーフティーネットの構築に邁進します。

神奈川医療少年院へ(その3)

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神奈川医療少年院へ(その3)

去る10月18日(金)行われた、神奈川医療少年院への施設見学・意見交換会(今年度全定協関東・信越ブロック研修の一環)の報告 第2回目生活棟編です。第1回目教育棟編はこちら


生活棟めぐり

生活棟にお邪魔した時、確かに生活のにおいがしました。どこの家にもその家独特のにおいがあると言いますが、ここにもあります。


食堂
小さめな食堂は、三つある中間期の寮生が集まって、食事をとります。食堂の壁には、貼り絵とは思えないほど精巧な作品が2枚貼ってあります。

その一つは、全体的にラベンダー系の配色で、牡丹にアゲハ蝶がとまろうとしている瞬間の構図で、教官の言われる通り、蝶の極細の触角までもが貼り絵で表現されています。この作者は娯楽時間返上でこの作品を作り続けたとか。出院後は、福祉施設へ行ったそうです。



三つある中間期寮は、1寮、2寮、3寮とよばれ、1寮(個室2つと4人部屋4つとホール)には知的などの障害がある子が暮らし、3寮(4人部屋3つと個室6つとホール)では比較的能力の高い子や、少年院が2回以上の子が生活し、1寮でも3寮でもない中間の子たちが、2寮で生活しているそうです。各寮とも2段ベッドを入れて、収容定員18名の空間に、20~24名で生活しているそうです。

定着支援センターや、神奈川医療に勤務する非常勤の社会福祉士による「福祉調整」の対象となるのは主に1寮の子たちですが、2,3寮にもいます。


ホール
1~3寮では、基本的に、小部屋で寝起きし、日中はホールへ行き来ができます。ホールには教官の机があり、卓上には子どもたちとの面談の方法など説明書きが置かれ、壁には一面に学習に役立つ掲示物(例:単位換算、奇数・偶数、時間・年月、平仮名等の表)や、寮生活でのルールなどがラミネートされて貼られています。

教官によると、掲示物の好きな子たちがいるので、常に見られるように、また、先生と話がしたくてたまらない子が多いので、順番に話せるよう、分かりやすく説明してあるとのことでした。

トイレ使用の際は、記名するようになっていますが、その理由は、前に失敗した経験を活かすためと言ってもよいでしょうか。以前、下着などを流してしまった少年がいて、寮全体で汚水管がつながっているので、大きな被害があったそうです。

また、中には、手動の鉛筆削りが好きで、ホールで、ずっと鉛筆削りをしている子や、紙と見れば、本でも何でもちぎってしまう子もいると。

この紙ちぎりが好きな少年には、教官も困ってしまい、ホールで教官の前で寝かせることがあったそうです。やがてその子が出院して福祉施設に移り、紙ちぎりはぴたっと止んだそうです。

教官が、その施設にその理由を聞くと、そこでは、部屋中を紙だらけにして、好きなだけちぎり続けられるようにしてあげたそうで、福祉と矯正施設の違いをひどく感じたと教官は言われました。

「この1寮の子たちは、大人を一番よく見ている」その大人の本質・本性に正直に反応すると、教官は言われます。

障害があっても、子どもを一生懸命育てようとする親に育てられた子たちや、すばらしい出会いがあって、眠っている才能を引き出してもらい、世の中で活躍している子どもたちもいる。私も偉そうなことを言える生き方をしていないが、それにしても、人生は全ての人に優しくない。


予告
次回の報告は、出院の準備に向けて、神奈川医療と地域生活定着支援センターの取り組みなどです。

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