全国地域生活定着支援センター協議会は、矯正施設を退所した高齢・障がい者の社会復帰と再犯防止を支援し、全国のセーフティーネットの構築に邁進します。

司法と福祉の連携:鳥取刑務所

新聞記事

司法と福祉の連携:鳥取刑務所

◆◆面談で出所後へ橋渡し 2013年8月31日 朝日新聞から転記。リンクはこちら

 刑務所の中でも福祉との連携が進んでいる。鳥取刑務所(鳥取市)には社会福祉士の資格をもつ職員がおり、面談などで出所後の支援が必要な受刑者を見つけだして、地域生活定着支援センターにつなぐ役割を担う。

社会福祉士の玉木由紀さん(36)は、2009年から鳥取刑務所に非常勤で勤める。同刑務所は、懲役10年未満で、犯罪傾向の進んだ男性受刑者を収容。全受刑者の約9割が再犯者で、65歳以上は9・6%、知的障害の疑いがある人は3%(8月30日現在)。

玉木さんは約600人の受刑者の経歴などが書かれた調査票を見た上で、「出所後、自分で住む場所を決められるか」「困ったときに自分で福祉サービスを求めることができるか」を判断基準に、面談を重ねる。

 面談は1回約30分で、一人あたり2~4回。「お金の管理はできるか」「料理は何を作れるか」などを質問して、本人の能力を見定める。「家族や職場など、あらゆる社会資源を断たれている上、高齢だったり障害があったりすると、生活の土台づくりに時間がかかる」と玉木さんは話す。

 支援した28人は、これまで出所して数日から1年以内に再び罪を犯して逮捕された人ばかり。だが、支援後の再犯は8人にとどまり、20人は出所後、地域での暮らしを続けている。

 受刑者の中には、「刑務所を出るのが怖い」と不安をもらす人もいるという。玉木さんは、「生き方が不器用な人が多い。誰にも助けを求められずに事件を起こした人もいる。しかし、できないことをフォローしてもらえれば一歩進める。社会で生活できれば、刑務所からは足が遠のく」と話す。

山本大輔・看守長(39)は、刑務官になった頃から、福祉の支援を必要とする受刑者を何人も見てきた。「窃盗を重ねた再犯者は凶悪犯と見られがちだが、その人がなぜ窃盗しなければいけないのかという背景が理解されていない」と感じる。

 玉木さんは、「買い物の仕方や電化製品の使い方など、生きるための小さな知恵をつけて、出所後の生活に自信をもてるようにしたい」。

  ◆   ◆ 

 全国的には、捜査段階から福祉と連携する取り組みもある。長崎県や滋賀県などで始まった「障がい者審査委員会」は、障害が疑われる容疑者らについて、福祉や医療の専門家が中立の立場で調査、検討し、検察が刑事処分などに反映する。また、東京地検は今年1月に社会福祉士を臨時職員として採用した。

 鳥取地検でも再犯防止のプロジェクトチームを立ち上げ、5月には定着支援センターの職員を招いて勉強会を開くなど連携を始めた。宮地佐都季次席検事は「福祉の支援があれば犯罪を未然に防げる例はかなりある。実効性のある取り組みを模索している」と話した。

 司法と福祉をつなぐ民間の人材を養成する動きもある。7月に鳥取市でセミナーが開かれ、福祉や司法の関係者ら約75人が参加。弁護士や精神科医が、刑事手続きの流れ、障害者の問題行動などを説明した。市内の就労支援事業所の職員、岩岸直美さん(47)は「いろんな立場からの視点で支援のあり方を考えたい」と話した。(村井七緒子)

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