全国地域生活定着支援センター協議会は、矯正施設を退所した高齢・障がい者の社会復帰と再犯防止を支援し、全国のセーフティーネットの構築に邁進します。

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Re:栃木県定着センター

「再犯抑止へ司法と福祉連携」2013年5月14日 読売新聞オンラインに栃木県地域生活定着支援センターの関わったケースの記事が掲載されています。「家族、健康…状態に応じ支援」リンクはこちら

この記事の中の写真については無断転載禁止と明記されているので、写真(関口センター長、栃木定着の支援体系などの画像)は載せられませんので、上記リンクからご覧ください。このテーマでの連載記事も読めます。

黒羽刑務所

以下、リンク切れの際、記事のみ転記:
「養護老人ホームでいいかな」。とちぎ地域生活定着支援センターの職員が、間もなく刑期を終える高齢の女性受刑者に、出所後の入所施設について確認すると、女性は「うん」と短くうなずいた。決まったのは県内の養護老人ホーム。食事付きで介護を受けることもできる。出所の当日は、センターの職員が刑務所に出向き、施設まで車で送り届けた。

 女性は万引きを繰り返し、窃盗罪で起訴され、有罪判決を受けた。子供は遠方に住み、刑期が終わっても面倒をみる身内はいない。トイレで不便もある。センターは出所の約3か月前に支援に取りかかり、3回の面接で入所先の施設概要や写真などを示して意向を確認してきた。「福祉施設の空きが少ない中で、見つかって運が良かった」。関口清美センター長は胸をなで下ろした。

 2007年の犯罪白書によると、出所した65歳以上の満期釈放者のうち、7割が5年以内に再び入所している。センターによると、身寄りがなかったり、生活に困窮したりして、盗みを重ねるケースが目立つ。生活保護を受ける手続きを知らない高齢者も多い。「それぞれの親族の有無や健康状態に合わせ、再犯しない生活環境を整えることが大切なのです」。関口センター長は強調する。

 センターは、保護観察所が刑務所との間で支援の必要性があると認めた受刑者に対し、刑期の満期が近づいた段階で支援を始める。優先的に支援を受けられる「特別調整」の対象となる条件は、〈1〉おおむね65歳以上か障害がある〈2〉居住場所がない〈3〉福祉サービスが必要――など六つ。とちぎ地域生活定着支援センターでは、出所前に最低でも2回、多いと6回程度の面接を繰り返し、施設の関係者が同席することもある。

障害や認知症も 10年1月に開所して以降、今年3月までに64人を支援した。高齢者のほか障害者も多い。受刑中に認知症であることが発覚するケースもあり、関口センター長は、「刑務所ではなく福祉施設に入れるべきだったのではと感じる人もいる」と明かす。

 今月10日には、宇都宮地検で初めて講演し、高齢や障害のある受刑者に対する福祉支援の重要性を説いた。「刑務所なども福祉支援の必要性について理解が進んできた。少しずつ刑事司法との距離が近づいている」と手応えを感じている。

 しかし、特別調整者として支援を受けられるのは6条件すべてを満たすケースのみだ。黒羽刑務所は「今後ともセンターをはじめ、関係機関と情報共有しながら万全を尽くしたい」とし、別の県内の刑務所関係者は「年齢が少し若い場合などは対象にならない。救済できているのはまだ一部」と現状を語る。

 こうした中で、捜査や公判の段階から再犯を防ごうとする取り組みが最近になって始まった。東京地検は今年4月、「社会復帰支援室」を発足させ、社会福祉士の松友了さん(65)を非常勤職員として採用した。松友さんは、被告らの家庭環境、健康状態などを見極め、今後どのような施設に入所するのがふさわしいかなどを検事らに助言。検事は起訴するか否か、また、起訴した場合も執行猶予付きの求刑をするかなどの判断に役立てる。

 社会福祉士の雇用は今後、全国の地検での制度化を視野に入れている。松友さんは「検察と情報を共有し、更生への体制を充実させたい」と話した。

 [地域生活定着支援センター]

 満期出所した高齢者や障害者を支援するため、国が2009年に設置を始めた。現在は、北海道に2か所、46都府県に各1か所ある。社会福祉士らが出所前、受刑者の生活保護の申請や福祉サービスの利用手続きなどを進め、出所後も定期的に面談を続ける。県内では2010年1月に開所。

 ◇坂井昭宏・桜美林大教授(倫理学)◇

 高齢者の万引きが増えている社会的背景には、経済的な困窮と、孤立化があると考えられる。刑事司法と福祉が連携して対策を講ずることが必要だ。実態を正確に把握するため、小売店がすべての被害をきちんと通報することも求められる。

 経済的困窮には、食べるものにも事欠く「絶対的貧困」と、お金を節約したいという「相対的貧困」の二つがある。前者は、年金などの社会福祉を充実させる以外に解決策はない。問題は後者で、この人たちの規範意識を覚醒させなければならない。

 それが期待できる環境の一つが、相互に支え合う人と人のつながりをもつことだ。昔は3世代同居も多く、子や孫の面倒をみるなど、高齢者に役割があった。そういう世帯構成が減って、独居が増えたことなどから、生きがいや社会的役割がない高齢者は多い。65歳以上で家族や知人がいなければ、ある意味で失うものがなく、歯止めがかかりにくい。

 福祉的支援が必要な高齢者は多いのだろうが、その情報は警察が持っており、福祉施設などにそのまま提供するわけにはいかない。刑事司法と福祉がどう情報を共有し、連携していけるかが課題だ。草の根レベルでできることもある。商店街にお茶を飲める無料スペースなどをつくるだけでも、高齢者同士が交流できる場所になる。

 対策の前提として、実態の把握を進めることも大事だ。万引きの実態は、実はよくわかっていない。警察が発表するのは認知件数で、実際の発生件数はわからない。警視庁が万引きの容疑者に行った調査では、警察へ通報される確率はほぼ2割という。小売店は「たかが万引き」と軽く見ず、発覚した全件について毅然(きぜん)と通報してほしい。(ここまで)

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